HOME毎月分配型は買うべきか?

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毎月分配型投資信託

分配金の有無、そしてその頻度(毎月分配型、隔月分配型、年二回分配型などなど)は投資信託を運用するうえでの重要なポイントの一つです。そして、分配型投資信託の中でも、分配金受け取るか、自動的に再投資するかも同じく重要なポイントです。

このページでは、分配型投資信託の中でも分配頻度が最も高く、かつ日本の投資信託の中で最も人気のある「毎月分配型」投資信託のメリット、デメリットをご紹介し、毎月分配型を買うべきかどうかについて考えます。

毎月分配型のメリットは?

毎月安定した収入(分配金)を確保できる

毎月分配型投資信託は、日本に数ある投資信託のうちで最も人気のあるタイプです。日本で最も純資産総額の高い「グローバル・ソブリン・オープン」もこのタイプです。毎月分配型がこんなにも人気があるのは、日本くらいで、米国、欧州では毎月分配型の数も少なく、人気もさほどありません。

ではなぜ、これだけ毎月分配型が日本で人気があるのでしょうか?

それは日本の老齢人口の高さにあると言われています。すなわち、老後の年金代わりに毎月安定的に収入(分配金)が得られるためです。低金利時代のいま、数千万円の退職金を銀行に預けても得られる金利はすずめの涙ほどです。そこで高齢者が目をつけた、もしくは、郵便局や銀行、証券会社の窓口担当者が高齢者に進めるのが、毎月安定した収入の得られる毎月分配型なのです。毎月分配型の中には数%~数十%の分配を出す投資信託もありますので、銀行預金の金利よりもはるかに高い利息で定期的な収入が得られ、毎月の年金を補填することができるのです。

毎月分配型はインカムゲインを得られる

株や投資信託を購入して儲けを得ようとするとき、多くの人の意識にあるのが、安く買って高く売り、その差額で利益を得ようとする考えです。これは、キャピタルゲイン(値上がり益)といわれます。これに対して、銀行預金の利息や、株・投資信託の配当金をキャピタルゲイン(配当、利息収入)と言います。毎月分配型の投資信託はこのインカムゲインを安定的かつ継続的に得ることができます。

日本の市場では長い間キャピタルゲインがメインで、インカムゲインはあまり注目されてきませんでした。企業が得た利益を内部にためこみ、株主に還元しようという意識が海外に比べて弱かったためです。しかしながら、近年の外資系企業や海外投資家の日本への進出に伴い、企業側も配当金を多く出すようになってきました。こうした動きから、インカムゲインにもちゅうもくされるようになってきたのです。

こんな研究成果があります。アメリカの株式市場の調査・研究の結果、1871年に1000ドルの株式を購入した場合、2003年にはトータルの利益が798万ドルになることがわかりました。ただし、分配金を再投資しなければ、利益は24万ドルへと大きく低下しました。この研究から、株式への投資で得られる利益のうちキャピタルゲインが占める割合は実は非常に小さいということが明らかになったのです。毎月分配型投資信託ではこのインカムゲインを投資信託の中でも最も高い頻度で得ることができるのです。

分配金を再投資するか、受け取るかでリスクマネジメントできる

毎月分配型投資信託は、分配金を再投資するか、受け取るか選べることが多いです。分配金を再投資した場合、基準価額が上昇している局面では複利の効果で雪だるま式に利益を得ることができます。一方、基準価額が下落を続ける局面では、損失が大きくなります。すなわち、比較的ハイリスクな投資をすることになります。

これに対して、毎月の分配金を再投資しない場合、すなわち受け取る場合、再投資しないため、基準価額が上昇する局面では、再投資するよりも利益が少ないことになります。一方で、基準価額が下落する局面においても、毎月分配金を既に受け取って手元に持っていますので、損失を少なく抑えることができるのです。すなわち、毎月分配型の分配金を受け取るということは、強制的に利益確定することになるので、着実に儲けを出し、損失リスクを抑えることができるのです。

このように、分配金を受け取るか、それとも再投資するかを選択することにより、リスクマネジメントができるのです。今後も収入が見込め、長期に亘って投資を続ける若い世代の場合は再投資を選び、退職金の補填として利用したい高齢者の場合は受取りを選ぶなど、そのライフステージにおける投資目的や個人の投資方針により、運用の仕方を選べるのも毎月分配型のメリットです。

じゃあ、毎月分配型のデメリットは?

毎月分配型の特徴やそのメリットをご紹介しましたが、毎月分配型のデメリットは何でしょうか?

当然ながら分配金からは税金が差し引かれる

投資信託を解約、もしくは売却する場合と同じく、毎月分配型で得られた利益には税金がかかります。毎月分配型で得られた分配金を受け取る、という場合は逐次税金を引かれるか、最後に税金を引かれるかだけの違いですので、損をしている気はしないのですが、毎月分配型で得られた分配金を再投資する、という場合は、税引き分を再投資することになりますので、全く同じ運用成績の分配金無し投資信託と比較すると、得られる利益は小さくなります。なお、分配金を再投資する場合には、通常の投資信託の購入時にかかる販売手数料は必要ありません。

毎月分配型のマトメ

それでは、毎月分配型投資信託のマトメです。
・毎月安定した収入を得ることができる。しかも銀行利息よりもはるかに高い収入を。
・キャピタルゲインだけでなく、インカムゲインによる利益を期待できる。
・毎月の分配金を再投資するか、受け取るかでリスクマネジメントできる。
・毎月の分配金を再投資する場合には、同様の運用成績の投資信託よりも利益は小さくなる。

いかがでしたでしょうか?
実際の毎月の分配金の配分方法は様々で、利益の大部分を分配金とする投資信託、利益の一部のみ分配して運用を続ける投資信託などがあります。毎月分配型投資信託に興味があり、実際に購入してみようという場合、そのファンドがどの程度の割合で分配金を出しているのか、目論見書や運用報告書でこれまでの分配金履歴や、運用期間中の値上がり分のうち、どの程度の割合で分配金が出されているのか調べてみるとよいでしょう。

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